
本校では、2年次に「生活の中の芸術」という科目をカリキュラムに取り入れています。この科目での学習は、但馬地域で永い時間をかけて創られてきた芸術に親しむことで、地域を知る事につながり、さらには地域に住まう患者・療養者・家族の生活に思いをはせ、年代を超えた交流に繋がるものと考えています。
また、芸術作品を鑑賞し、味わい、作品に込められた思いを知る事で、人としての豊かな感性を育むことをねらいとしています。
第1回の「陶芸」では、講師に永澤 仁先生をお招きし、『出石焼』について学びました。『出石焼』の240年の歴史や伝統を知ると共に、実際に作品を観て・触れる機会となりました。
『出石焼』は国内でも珍しい白磁であり、柿谷陶石という純白の原料を使って焼かれた作品は、少しの濁りもない神秘的な白さを感じました。また、釉薬によっては艶や質感が変化することを知り、白一色でも多くの表現ができることに、芸術の奥深さを感じました。
今回の学習を通して、美しい作品を生み出すための「丁寧さ」や、地域の伝統文化として受け継ぐ「継続する力」の重要性を学び、地域の文化や暮らしを大切にしながら人々の生活を支えることについて考えるきっかけとなりました。

~学生たちの声を紹介します~
普段何気なく使っている器にも、長い歴史や地域の人々の努力が込められていることに気づいた。伝統工芸を守り続けることは簡単ではないと思うが、それでも受け継がれていることに地域の人々の思いを感じた。
地域に根付いた芸術を知ることで、その土地で暮らす人々の生活や価値観について考えるきっかけになった。これから看護を学ぶ中でも、病気だけではなく、その人の生活や心の豊かさにも目を向けられる看護師になりたいと思った。
永澤先生が最後に、「自分の最後をどうしたいか」という問いをされ、焼き物はお腹を満たすことはできないが、使ってみたい、綺麗だな、これにお花をいけて見たいな、今の季節ならこの器がいいなと、心に余裕のある時間を作るものであると話された。器などの芸術は、生命維持をすることに直結しないかもしれないが、人の心を満たすことができ、心に栄養を与えることができる。作者の思いや美を器によって表現され、私たちはその器により思いや美を感じ取り、心を満たすことができる。芸術に触れることで心を動かし、身体と心とがつながっていることを実感でき、心を満たすことができる。
「死は突然やってくる」という話も強く印象に残った。終末期の患者がどのように最期を迎えたいかは人それぞれであり、その人らしい時間の過ごし方がある。看護師は病気や身体面だけを見るのではなく、その人がどのような人生を歩み、何を大切にしてきたのかを理解し、その人らしい最期を支える必要があると感じた。そのためには、知識や技術だけでなく、自分自身の人間性を広げることが必要であると感じた。芸術や文化、自然などに触れる経験は、患者を理解し寄り添う力につながるのではないかと感じた。













